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2007-06-12

サイバーパンク電脳サイバーパンクの電脳観 - DocSeriの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - サイバーパンクの電脳観 - DocSeriの日記 サイバーパンクの電脳観 - DocSeriの日記 のブックマークコメント

Cybre-Punkの源流が登場して既に30年。その間に世界観の根幹を成す技術分野は急速に発達、部分的には当時の予想を凌駕するまでに成長した。とりわけコンピュータ及びネットワークの発達には目を見張るものがある。

しかし一方で、かなりの作品群が旧態然とした技術幻想を引き摺っているようにも思える。例えば-----ヴァーチャル・リアリティによる電脳空間コントロール


Macが本格的にGUIというものを普及させて以来、情報可視化/仮想化によるコントロール技術は発展を続けた。しかし一方で、仮想化に拠らないコントロール、即ちキーボードからの入力消失することはなかった。むしろ、効率を重視する環境ではマウスを用いた操作よりキーボードによるものの方が明らかに速い。

同様に、VRによるネットワーク構造の映像化などという技術が用いられるとすれば、それは精々全容を把握するための補助的なものに過ぎず、操作自体は相変わらずキーボードで行なわれるだろうことが予想される。


とはいえ脳とコンピュータの直結が可能になるならば、話は少々違ってくる。音声入力キーボード入力も、思考の速度には敵わない*1。また、曖昧思考を元に膨大なデータの検索が行なえるようなシステムが成立するならば、広大なネットワークの海から情報を拾い出す手段としてVRが利用されることはあるかも知れない*2

そうすると、原則として脳への情報伝達は視覚・聴覚程度に限られ、またリミットを越えて強烈な信号が発信されることもないものになるはずであるから、よく作中に見られるような「脳の乗っ取り」や「電磁パルスによる脳へのダメージ」などという話はまったくの夢物語と言えよう。

ただし義体の制御を乗っ取って自殺的行動を取らせることはできるかも知れない。義体化した者はネットワーク直結機能を付けない方が無難だろう。

実際の電脳戦は現実世界のhackとあまり変わらない状況になりそうだ-----空きポートを探して潜り込み、脆弱性を突いて権限を掌握、情報を引き出すなり機器を暴走させるなり土産を仕掛けるなり。劇的に誇張するならば、精々それがごく短時間のうちに処理されるような演出程度が相応しい。


VRが娯楽以上のものになりそうにないのと対象に、現実情報に重ねて電子情報を表示させる強化現実は徐々に実用化に近付きつつある。

未だウェアラブルコンピュータもヘッドマウントディスプレイも一般層に浸透するには早過ぎる段階ではあるが、ある種のウェアラブル情報機器としてモバイル環境は充分に普及しており、現実の位置と地図情報を重ね合わせるなど原始的なAR技術は完成している。あとは如何に意識させずに表示するか、だ。

現行の携帯端末のように逐一手元を確認するのではなく、普段から視界に半透過で重ねておくのが適切なのだが、そうなるには多分あと10年ぐらいかかりそうだ。


義体そのものの研究は進行するだろうが、それは主として肉体的欠損を補うための装置としての意味に留まるだろう。軍事的な側面を否定するものではないが、強化兵士としてではなく戦傷からの復帰を狙う技術として使われると予想する。

軍人にも退役の自由はあり、その時に正常な社会生活が送れること、また「歩く凶器」とならないことを保障せねばならない以上、無闇な肉体強化は不可能だ。それに人道的側面からも、この分野に踏み込むのは危険が大きい。

とは言え、この部分で嘘を吐かないと「サイバー」でなくなってしまうので、それは目を瞑ろう。


サイバーパンクに於いて、企業サーバクラック以外でハッカーの出番があるとすれば、主に敵の強化現実眩惑や見方同士の戦術サポート部分だろうか。例えば……

仲間の無線PANを通じて、対峙するカンパニーレイヴウォーリアを補足。まずは暗号解析して敵の無線ネットワークに潜り込んだ。思った通り、企業セキュリティが甘い。5秒で視界制御を掌握、強化現実視界にレンダリングした敵影を無数に重ねて混乱させる。

ARゴーグルを外した敵はスマートガンを有効に使えない。ついでに義体の制御系にも侵入を試みる。巧く行けば同士討ちだ。


とか書いてたらはてなダイアリーシャドウラン世界の電子技術についての突っ込みが。プロは有線接続、それはもうその通りだろうと思う。でも無線化は物理的な制約なしに情報共有できるメリットもあるので、これはこれで使われると思う。つまり無線封鎖可能なように物理スイッチの付いた形で無線PANが組まれる、というのが適切かなと。

*1:ただし、思考のみでは茫洋として纏まらぬものが手を動かすことで絞り込まれるといった効果も期待できるので、実際にはやはりキーボードが補助的に活用されるのかも知れない

*2

永遠の森―博物館惑星

永遠の森―博物館惑星

Akira_uAkira_u2007/06/13 00:58ご参照とトラックバック、ありがとうございました。こちらのご意見も興味深く拝見しました。
「SR4への突っ込み」というご評価をいただいていますが、TRPGもエンターテイメントですから、セッションでPL達が楽しめるよう、SR4のネットワーク設定とルールが工夫された良いルール・設定であることを認めることにやぶさかではありません。その点のご了解をいただけると幸いです。