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2014-05-19ホラーRPG調査マニュアル概説

ホラーミステリーは似ている:現実と地続きな世界で人が死ぬ、という点で。

人が死ぬ以上、必ず捜査が行なわれる。その結果が犯人の手によるものであるのか人外のものによるのかという違いはあれど、少なくとも初動に於いて両者に顕著な差はない。

まりPCの誰かしらが警察ないし探偵に相当する役割を担うことになるわけだが、しか捜査セオリーがPLの知識にあるかどうかは些か心許ない。せっかくシナリオに手掛かりが用意されていても、調べ方を思い付かなければそれで終わりだ。あるいは逆にPL側に知識があって調査を申告してきたときに、GM側に知識が乏しかったために対応できない、ということも考えられる。

なにより、調査こそをメインとするホラーにあって、その方面の知識を増やしておくに越したことはない。そこで、簡単ながら「ホラー世界の調査マニュアル」を著すことにした。GMPC双方の一助となれば幸いである。

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ホラーに於ける調査は、なによりもまず「死者の身元」「行方不明者の足取り」に集約される。

他にも「人物の身辺調査」「物品の来歴調査」なども考えられるが、最も重要性が高いのはこの2例ではなかろうか。

死者の身元を割り出す

どこの誰だかわからない人物の身元を調査する。必ずしも死者だけではなく、記憶喪失者などの場合も含まれ得る。

主に身体的特徴からの調査と所持品からの調査が考えられる。

身体特徴から調査する

指紋が個人を特定する情報であることは18世紀頃から知られており、19世紀末には初めて犯罪証拠として用いられた。ただし、単に「特定人物が特定箇所に触れた」ことを示すのではなく指紋をのみから個人を特定するとなると、警察の持つデータベースとの照合なしには不可能である。またこのデータベースは当然ながら過去に指紋を採取されたことのある人、つまり何らかの事件関係者や軍など身元が調査される職業、あるいは日本場合外国人登録者などに限られる。

遺体の損傷が著しく顔も指紋も不明な状態であっても、頭骨が無事ならば調べようはある。

腐乱した屍体であっても歯は原型を留めていることが多いため、歯科治療痕などからカルテを元に身元を特定することが可能である。ただし、これは共通のデータベースなどが存在しないため被害者が足を運んだ可能性のありそうな病院歯科医院を回り類似するカルテを調べてもらうという地道な調査が必要になる。もちろん警察以外に開示されることはない。

また頭骨を元に肉付きを推測する復顔術によって生前の顔を再現する方法もある。ただしこちらは肥満や毛髪の状態などまで考慮されるものではなく、似顔絵の域を出ない。

DNA艦艇による特定が行なわれることもあるが、全ゲノム解析ではなく確率的な部分一致を確認するに過ぎず個人特定はおろかサンプルが同一人物か否かさえ高精度で明言できるものではなく、ホラーに於ける調査向きではない。

所持品

身体的特徴からの調査が警察以外にはほぼ不可能であるのに対し、所持品からの調査は探偵一般人でも可能な場合がある。

免許証保険証パスポートなどの公的身分
はっきりと身元を確認できる物証。ただし何らかの理由で他人のもの携帯していた、などの事例も考えられるため複数の方法で照合する必要はあるだろう。
会員証類
当該店舗に連絡しユーザ情報を得ることができれば住所や連絡先などが判明する。ただし警察以外には普通開示しない。
名刺
同じ名刺が複数枚あれば高確率で本人のものと考えられる。本名、勤務先が判明するので、そちらに身元を照会可能。そうでない場合でも各人に連絡を取り名刺交換した相手を洗い出すことで共通する人物を絞り込むことは可能かも知れないが、容易い調査ではない。
レシート
購入履歴と行動範囲を示す資料にはなるが、よほど常連であっても個人を特定するには至らないと考えられる。
携帯端末
通話履歴アドレス帳などから交流範囲、Webアクセス履歴などから直近の関心や発言などを追える。ただしパスコードロックがかかっている可能性がある。警察であればキャリア契約情報や詳細な通話ログを開示させることも可能。

行方不明者の足取りを追う

こちらは個人が特定されているが連絡が取れない場合の調査方法警察だけでなく探偵もよくやる調査である

本人の身体的特徴については外見程度しか参照しようがないため、主に残された情報などから追うことになる。

まず一番重要なことは、「当座の生活必要ものが残されているかどうか」だろう。たとえば財布やクレジットカード預金通帳など金銭的なものがあれば「遠出の予定はなかった」と考えられ、事件性が高まる。もちろん、それらが消えていても家の中が荒らされた様子であればやはり拉致などの可能性が高いと言えるだろう。

また家の鍵が残されているかどうか、鍵がかかっていたかどうかも重要ポイントだ:外出のつもりがあったかどうかが判別できる。

もし通帳やクレジットカードがなくなっているなら、(警察であれば)口座からの引き出し記録やカードでの決済記録などから行動を推測できる。

PCが残されていれば(モバイル機でもなければ、普通は失踪時に携行しないだろう)最近検索・閲覧記録などから関心を持っていた題材を調べたり会話内容を見たりできる。ただし20世紀末より前では期待できず、また若年層および老年層ではPC非所有率が高い。

携帯端末が残されていない場合警察であればキャリアGPS情報基地局との通信履歴を開示させることで移動経路を確認できる。ただし端末の電源が入っていない場合は記録が取れない。

日記手紙は失踪前の出来事などを知る手掛りになり得るが、近年ではかなりの割合PCまたは携帯端末経由での電子情報に置き換わっている。手紙メールは、失踪者が受け取ったものだけでなく旅先から送ったものによって最後の足取りが知れる場合もあるだろう。

当日の服装などがはっきりしており、背格好にそれなりの特徴があるならば目撃証言を探すか防犯カメラ映像を確認する方法もある。ただしカメラのある範囲で失踪したのでない場合(たとえば住宅街では監視カメラ映像を得るのは難しい)確認は絶望的だし、いずれの方法でも捜査にはかなり時間がかかる。近未来於いて死角なく張り巡らされた防犯カメラと顔認識システムによって短時間で割り出し可能になるかも知れない。